ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

フランスのアニメーターの収入

今日も70万カウンター記念と言う事で、ぶっちゃけて収入の話をしますね。


これは、皆んな興味あるかもなあ。


最近、同じ事務所での契約が1年を超え、彼の収入は比較的安定しています。

月々のアニメ事務所からの手取りが1700〜2200ユーロほど、

それから国から支給のアンティルミッタンが、600〜800ユーロほど


合計2400〜2800ユーロの手取りを行ったり来たりしています。
(ボーナス無し、物価に合わせて換算すると、手取り25万から30万ほどのイメージ、バカンス中は激減、1つのアニメの契約が終わると、他の仕事を探しに数ヶ月かかる事もある。)






実はこれは、パリの給料としては比較的良い方なんですよ。

それは彼の友人が銀行関係のシステムのプログラマーで、プロジェクトリーダーをやっているまあ5人ぐらいの部下がいる。
が手取り2800〜2900ユーロ。(ボーナス無し)日本で同じ仕事をするともっと給料は高い。










アンティルミッタンとは芸術家用失業保険の事なのですが、毎月もらっています。

不思議ですよね〜〜働きながら、失業保険ももらうって。


  


騙して、国の金もらっているのか?働いている人じゃなくて、会社がしているんだよ。それもどのアニメ会社も。
フランスのアニメ業界のアニメーターの収入の仕組みは超最低で、ある事務所で4年以上連続して勤めていても、一ヶ月間の契約は1話分、10日〜17日分、毎月更新、契約書を交わす。それ以外の日は国から失業保険を得ていると言う形になっている。




一ヶ月の間に10日から17日で仕事が終わるわけでもなく、先月は10日分、(二週間)タダ働き、その間は国からの失業保険支給(現在通常日当の6割まで減)でまかなった。

それに時間数は1日いくらなので、時給では無い。現在彼は11時から20:30〜21:00まで働いている。

フランスは残業がないって有名だけど、アニメ業界は違う。まあ日本の様に会社で寝たりしないけど、他のフランスの職業と比べると長時間働いて、
残業代ナシ!なのです。





ストーリーボーダーの仕事は宮崎監督が絵コンテ書くでしょ。あんなようにも〜〜のすごい重要な仕事なんだよ。なのでクリエイティビティと
テクニックと、素早さが必要なので、ある日は早く進むし、ある日は時間がかかるしと時間配分が見えにくい。






それで、日本のアニメと違うのはフランスの 仕上げは他の国に外注で、誰もフランスから人が派遣されない。

なのでフランスである程度、絵コンテでもアニメで細かく動くぐらい枚数書かないといけないから。

一話分、12分のアニメに1500枚くらい書く。

毎月1500枚の絵コンテを書いている。







毎月の契約を会社と交わし、、今月は12日間、来月は17日間分の給料を支給しますとそう言う風になっている。ちなみに1日分の契約給料は各種手当などを引いた後

185ユーロ 

手当などを含めるともっと高い。

ストーリーボーダーの仕事は重要な仕事なので1日の仕事の単価は高いが、いかんせん膨大なタダ働きが存在する。




意味ない。(アシスタント時代も月の収入が2300〜2400だったそうです。これは全て事務所もちアシスタントは契約が安定している。)



それから更に、別の税金が引かれ、最後に残るのがたったの1700ユーロと言うわけ!


それから、オフィシャルに働いている日数も少ないから、将来年金もらう時に、影響がある。



フランスのシステムって。。。。。。中に入らないと分からないよ。夢見ている人。




実は185ユーロでちゃんと働いた日数、月に普通働く日は21日または22日ぐらいなので

4000ユーロ前後になる。その185ユーロだって各種手当を抜いた後のなので、その4000ユーロから後他の税金その他を引かれても


もしかしたら、月手取り3000ユーロ超える収入が実現??と夢見たが〜〜〜叶わず。


そんなフランスアニメ界の国のシステムを良いように使ったシステムが、全てのアニメ事務所でまかり通っている。

一番アコギだったのは、大手映画会社。Gaumont,
一ヶ月以上かかる30日分の仕事の給料は10日分だけ、20日分は国の失業保険で食べていました!


それで、オフィシャルな表向きの仕事日数が少ないので、危うくアンティルミッタンの資格からも落ちそうになり(ちゃんと仕事しないと認定されない)


そそくさと辞めました。








ちゃん、ちゃん。