ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

ビザランのはずが。。モロッコへの旅3

お腹をお腹を空かせた、歯が真っ黒の4歳の子出会い。

なにかこの子にしてあげる事があれば、なにか母親になったような気分でした。

鶏肉2キロをあげた次の日、お宅を訪ねてみると、残りのクスクスをごちそうになり

(6人でみんなで、足の鳥一本を分けて食べる。その食べる勢いがすごい)


10歳のお兄ちゃんが、お礼に山まで道案内をしてくれるという。

すごい急な岩みちなのにどんどんあがって行く、それも案内も10歳とは思えないほど丁寧だ。

ビエン、ビエン、とスペイン語でここ大丈夫だよ。そんな感じで話している。

10歳でも、山で仕事をして、4歳の弟も居る。本当に大人びていて、精神年齢が高い感じがしました。





この家にお邪魔してから、お節介ながらこの兄弟姉妹の動向が気になる。。。。

山羊飼いの10歳のお兄ちゃん、13歳のお兄ちゃん、学校に本当に行っているのかな?

ある日、山羊の世話をしながら、ボーっとしている
時に、算数の計算をしてみて、と問題を出してみた。

がーーーーん。
13歳の子は、2桁の足し算引き算があまりできない、20の位からどんどんあやふや。

10歳の子は、1桁はなんとか、ギリギリ、でも指を使っている。。。。。
1桁と2桁の組み合わせの足し算引き算があまりできない。

これは、私がここにいるあいだ、足し算引き算を教えた方が良い。歯磨きの次は
私に次なる課題が出て来た、そんな感じだった。





最初は学校に全く行っていないのカナ?と思っていましたが、家族との交流が深まるにつれて

この兄弟姉妹は、ローテーションで山羊の世話をして、時間がある時に学校に行っていることが
わかった。


いちを一安心。

お姉さんは主に、お母さんと手伝いをし、午後から学校に行ったり、
学校に行かない日もある。兄弟の中では一番多く学校に行っている様子。

フランス語が少し話せます。





10歳と13歳のお兄ちゃんは、大体2人一組で山羊の世話をして、



たまに午後だけ行ったり、午前だけ行ったり。
山羊飼いに算数は必要ないよなんて素振りをする。

やっぱり、学校の勉強はついて行くのが大変で、算数の授業は捨てている感がある。






私とこの家族の唯一のコミュニケーションの手段は、実は片言のフランス語、
それもお姉ちゃんとだけ。モロッコ北部は英語よりフランス語の勉強が普及されているんです。

フランス語をモロッコで特訓しましたよ。

お母さん、ほかの兄弟とはジェスチャーのみ。

でも、そこまで不自由な感じはしませんでした。なんとかなるんですね。


今までに無い、旅のパターンで充実感がありました。


子供たちも仕事に学校にたくさんやる事はあるのですが、全体的にのんびりはしています。

お母さんもやる事がた〜〜〜くさん。一番忙しそうなのはお母さんでした。


ロッコの山の家庭の家事は、やる事が本当にたくさんです。
薪集め 山から薪を切って来ます。それも崖を登って、大量の薪の木を運んで、崖を下ってくる。
こんなに沢山薪を集めてきます。

洗濯は手洗いそれも家族6人分。
パン作り、大体5日分のパンを一気につくります。

山羊の乳搾り。栄養が足りない山の生活では子供に山羊の乳を与えます。
ご飯作り、洗い物、買い物、山に住んでいるので、街はそんなに離れていませんが、往復歩いて
買い物は3時間ぐらいかかります。



一緒にお母さんと居て、わかった事が、 字と数字を全く読めないし、書けないこと。

時計も読めません。

値段は書いてあっても読めません。聞けばわかります。
でも、どのお札はどれがどのくらいの価値というのはわかっています。だから買い物は出来ます。




もう一人の仲良くなった羊飼いの女性。
30歳、彼女が私が書いた数字、1のまねをして書いてみようとするんですが、
書けないんです。。。


識字率が低いというのはこういう事なのかと実感しました。

人間は学んだものだけ出来るようになるんですね。



本当にこういう昔ながらの生活って、憧れはあるけど、電気、ガス、水道、スイッチ一つで
出てくる生活で生まれた私。



実は山と宿を往復している間に、何度かこのお宅に泊まらないか?と聞かれていて、

寒そうだなとおもって断っていたのですが、あたたかくなったある日
とうとう決心をつけたのです。(2月の下旬からどんどん春っぽくなって行きます。)

この山の生活トライです。


つづく





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