ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

意図的に作られたものと、自然発生的に生まれたもの

最近、何か自分の思考が変わってきている気がする。


原発から1年3ヶ月、ガラガラと音を建てて、崩れていく。

なにか違和感を感じることが増えていく。


私は日本を出て、外国に出てから、いろいろ価値観の再構築をする部分はあったが、

わたしはやっぱり日本人で、日本の素晴らしさを再認識したものだった、そして文化とか伝統とか言われるものに次第に惹かれるように
なっていった。

しかしながら私は、その伝統の中には生きておらず、その中に入ろうともしていない。たまに見る傍観者である。






最近、埼玉の熊谷市にある妻沼聖天山 歓喜院という、国の重要文化財に最近指定された素晴らしいお寺を見に行った。。

実はこれは日光東照宮を小さくしたような作りだが、彫りは日光よりも素晴らしい。

その時、ガイドの人がこの小さな寺は57年(確か)かけて造られ、その当時の最高の本物の彫り師のみが携わって、
地元の人々の思いの結晶だ。
が、かたや日光東照宮は、権力誇示のためたった1年で急いで作られ、細工の彫りも本物の彫り師ではなく宮大工が彫った部分が多い。

そんな事を聞き、ビックリした。あの日光東照宮の彫りが、実は本物の彫り師ではなく大部分が大工作!!が〜〜ん。



もちろん、徳川家康が作り世界遺産日光東照宮のほうが規模が大きく、歴史的に有名でみなさん素晴らしいと思っているが、じつはこの最近まで大して注目も浴びていなかった人々の思いで作った小さい歓喜院の方が彫り物としては上だというわけだ。



日光東照宮は、素晴らしい。だが、すばらしいはずのものでも、本当の事が解るとガッカリするのである。



原発問題もしかり、原子力発電所、日本の国策とも言える事業の本当の正体はあんなもの。






いままで信じてきた伝統とか文化とか言われてきたものだって、なにか意図されて作られたものがすごく多いんじゃないかな?


地方のお祭りなんかは、地元の熱い思いが代々続いてきたもので、感動する。



が、例えば結婚制度とかどうだろう。(家庭を営むとは違う)それまで上流階級が受け継いできた家制度が上流階級から庶民まで下がってきたのは明治の政府の方針だ。

その後、日本の人口は確実に増えていく。

富国強兵を意図されて、つくられた日本の結婚の文化。だから、ゆがみが出来るのは当たり前の事だと思う。



そう考えると、今の日本社会自体、いろんなゆがみが出ているのは当然。


それはこの社会の中に意図されて作られたものが沢山あるからだからだろう。


最近、日本人は時間にきっちりしていて、外国人は違うという話題があがった。


が、私の母は20歳をすぎるくらいまで時計というものを持っていなかったという。
学校の鐘の合図で授業が始まり、終わる。時計ではない。時間というものを若いときはあまり意識しなかったと言う。


わたしの母の妹は、そういう田舎くらしの経験と、時間にあまり縛られない仕事をしていたので、
未だに歯医者の予約とかも、時間どうりに行くのが大変らしい。


私の年代からすると、驚きだ。


戦後から、学校教育方針に日本人の生活に時計や時間を守るというのが入ってきたらしい。




いままで信じてきたもの、その正体は?

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