ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

エジプトの市民革命3

「エジプト3」by 石川くみこ



広場には市民が掲げた反オバマの垂れ幕と、それらを警護するための軍の車。




報道されてきたこととは違って、エジプト軍も警察も政治には一切関与していませんでした。彼らは国民達の声と活動を出来る限りまもってサポートしようとしているだけ。




2年の苦しい時間を経て国民と軍、警察が話し合いを重ねて、一致したひとつの思い。平和に、エジプトをいい国にしていこうといこと。そう話す人々の姿からとても強い信頼関係を感じました。




私のカイロ滞在の最終日も遅くまで、エジプト全土が心から喜びと希望に溢れたお祝いの日の夜明けに起こった悲しい事件について、新聞でもテレビでもラジオでも映像を解析して原因を追求していて、街でもみんながこのことについて話し合っていました。
企てられたとしか思えない事件に本当に胸を痛めながら。。




以前から日本に比べて遥かに殺傷事件の少なく、家族や仲間をとても大切にする国で、国民同士で殺し合うということがどんなに悲しくショックだろうかと思う。
国民はもちろん意見の違う政党も、革命後にアメリカに買収されて悪政を行い、国民を攻撃しているムスリム同胞団でさえも、同じ国で争っていることが一番悲しいんだと言っていました。




きっとこの2年でこんな悲しくて悔しい出来事が何度もあったのだと思います。前進しては潰され、前進しては、潰され、、それでも挫けず諦めずにここまで辿り着いた彼らは、何よりも強いものを手に入れたのではないかと思います。




今は若者から老人まで職業も身分も問わず、国民のほとんどが政治に関心を持っていて、アメリカが何をしようとしているか、それに操作されているのは誰かをわかっています。
ほとんどの人が政治を知らなかった2年前とは違って、アメリカや民意に反する政党が無知な民衆を買収しようとしても、もう誰も騙されないと言っています。




エジプトで起こってるのはクーデターなんかじゃない。。。




情勢は確かに不安定だけど、悪化なんてしていない。何回も書くけど、今まで訪れた中で一番よかった。みんな静かに落ち着いて、良くなると信じて、前へ進もうとしているのがとてもよく伝わってきました。




アメリカが作りたいのは、イスラム国家。宗派の違うイスラム国家を作って対立させて、第二のアフガニスタンにしようとしてる。
日本ではイスラムに対して長い間情報操作されているからなかなか伝わりにくいと思うけれど、エジプト人の大半が属するスンニ派はとても穏やかで思いやりを大切にする人たち。
私はいつも昔の日本みたいなんだろうなーと思っていました。
エジプトは元々イスラム国家ではないし、ほとんどのエジプト人はそうなってはいけないと言っています。宗教は心の平安のためにあるのであって、政治や戦争に利用されるものじゃないと。




最近エジプトで起こっていることを一言で言えば、イスラム国家を作って利用したいアメリカと、それに抵抗しているエジプト国民の戦い。




私達と変わらない普通の人達が平和に自由で平等な国を作ろうとしているのを、利益のために自分の都合のいい国にしたいアメリカが阻止しようとして、普通の人々の生活と命を犠牲にしているとしか私には見えません。。。



日本の政治もろくにわからないのに、
すっかりエジプト事情に詳しくなってしまいました。




ここに書いたのは別にエジプトのことを知ってほしい訳じゃないけど、こんなにも現実と違うことが、事実として報道され、操作されているんだということを身近な人達と共に実感したから。




ここ数日の間にニュースの内容も周辺国の動きも変化してきた。まだまだ時間はかかるだろうけど、エジプトのみんなに早く平穏に生活できる毎日が訪れますように。




今の時代に情報操作を受けずにいることは難しいと思うけど、大切なことだけは見失わないでいたいと思います。



これを読んである友人からの感想

くみちゃんありがとう。
私は全くわからないことが多すぎて、政治も軍も何が何だかです。
今ね、TVで丁度エジプトについて議論していたの。それで、くみちゃんのをもう一度読んだ。TVに出ている多分偉い人なんかもわかってなかったよ。
『第三次世界対戦になんかなったら大変だー』なんて言ってるよ…。
怖いね。世界対戦ではなく、知らないということが。
伝えられていないそこに古くから住む人達の生活や、思いが。
目を向ける場所がやはり、大きな所、つまり政治や経済、国家だからなのでしょうか。
もちろん、それらのもとに生活しているのだけど、人一人に目を向けられないのでしょうか。
だから、日本の被災地の人達の生活はストップしたままになっているような気がします。
大きく見て変わったのではなく、人一人が安心して暮らせるようにして欲しいです。
○○ちゃんがいうように、老若男女皆が同じように生活、国について目を向けられること程幸せに近づける気がします。
この国は未だ未だですね。
帰ってきたらもっと話を聞かせてね。気をつけて★
何もわからずに書き込んでごめんなさい。





こういう素晴らしい文が書ける彼女の新たな一面が見れて、嬉しく思います。



私のある知人が言いました。
「どれだけ時間がかかったかは関係ない。何をするか」


彼女がNTTのエンジニアの仕事をしながら、アロマセラピーとマッサージのコースに週末通い、仕事を辞め、ベルリンに来て、出会った日から現在まで、7年くらいの月日が経っています。
一人一人、壁に打ち当たって、もがき苦しんで、また新たな殻を破る。


今までの経緯を知る私は、彼女が一筋縄では行かない、道を歩いて来た事をしっています。
途中のんびり模索しながら、停滞しながらも、時が来たらエイっつと行動出来る
力。そして忙しい、苦しい時でも投げ出さず、仕事を完結できる努力が、皆の信頼を得て、
ここまで来ているのだと思う。

彼女のお店に通える、人たちはラッキーだね。
http://www.milchjapan.com


287184