ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

ヨーロッパの低汚染の脅威

この3年の間に、コルシカ島の汚染、南チロルの汚染、ルーマニアの汚染と
たまたまチェルノブイリに汚染された地域に足を踏み入れる事になり、
その地元の人から直接話を聞く機会に遭い、そしてその土地の様子、経済の様子などを偶然にも
知る事となる。


内部被曝対策をきちんとしないと、低汚染地域といわれる東日本ならびに関東地方今後起こる事も、この上の地域と同じ道をたどるのだと予想される。


この3つの地域の人々は、病気と闘いながら、病気と共に生きながら、とても力強く生きている。普段どうりの生活をしている。
健康被害に遭った人々のストレスはそうとうなものだ。でも毎日前向きに生活する以外に方法は無い。病気がちだろうが、手術をしようが、人々は働き人生を紡いで行く。なのでこの地方の地域の経済活動は低下はしていない。

(が、重度汚染のベラルーシウクライナでは状況はさらに厳しい)



同じ境遇の者同士話をする事はあっても、その土地以外に話が伝わって行くのは稀な事だ。







コルシカ島に住む義理の妹も子宮の相当な痛みと、子宮周辺の手術の後遺症で排便が思うように
できなくなった。

第一子は生命維持ギリギリな超早産だった。これもコルシカではよくあること。

不自由な生活を強いられながらも、子宝に恵まれいつも通り仕事を続けているし、趣味のジュエリーアート制作も最近は軌道に乗り、
販売もしている。私は何かをキッカケに病気のストレスが爆発する事を知っていは居る。が、彼女の制作意欲を見るとなにか
迫力の様なものを感じる。のほほんと人生を生きていない。日々を懸命に生きている。



そして懸命に子育てをしている。子供たちには病気になって欲しくないと、毎日オーガニック野菜を使った栄養のあるご飯を昼、夜と作っている。母は強し、逆境の強さに本当に感動するんだ。



彼の叔母さんも脳の腫瘍が出来き、手術した。このルーマニアの地域はチェルノブイリ後癌の発生率が高くなり、多くの人々がさまざまな病気の症状に悩まされている。30年経った後もだ。そしてその脳手術後、叔母さんは臭覚を全く無くしてしまった。

臭覚が無くなるということは獣医にとって致命的であり、ドクターとしての仕事から離れなければならなくなった。が、また他の地域の文化に携わる所長をして、その地域のイベントを手掛ける高度な仕事をしている。


女手一つで育て上げた二人の息子も、技術者になり、自慢の息子達だ。


下の息子とそのお嫁さんと一緒に暮らしてはいるものの、
叔母さんさんは一人になるのがとても辛いと言って、電話から手が離れる事は無い。

仕事とプライベートの電話と合わせて一日100回ちかく電話をかけているんじゃないかというぐらい、話が途切れる事を嫌う。

これは一緒にいるのが辛かった。。。。


彼女を長く知る人は手術前と後では人が変わってしまったようだという。
私たちが到着した日、ギリシャ旅行中の息子夫婦に電話が繋がらないと一人パニックに陥っていた。

旅行中も毎日何度か連絡している。実はその日の朝話したばかりだという。

次の日の息子に朝6:30から電話をかける叔母さん。。。。

そして多数の子猫が癒してくれると夜は子猫たちと一緒にキッチンで寝ている。



う〜〜ん、周りが病気で亡くなっていき、自分も脳に腫瘍が出来て後遺症で悩んでいる。

相当なストレスなんだろう。







汚染の5年後に生まれた南チロル出身の23歳の友人も重度の皮膚のアレルギーを抱え、家族も癌で亡くし、最近同じ年の地元の友人も急な心臓疾患で亡くなった。

ある日私に電話で地元の友人が急に死んだと、朝起きたら硬くなっていたらしいと泣きながら電話してきた。

彼女の叔父さんも癌で亡くなっている。クラスの同級生も子供の頃から血液の癌だったらしい。


そんな運命を受け入れるかのように、本当に精神が大人びていて頑張り屋さんだ。

彼女と一緒に居ると20歳もの歳の差を感じない。


チェルノブイリ周辺の汚染や病気のことは皆承知の事実ではあるが、それ以外の数多くの汚染された低汚染地域の話はあまり知られていない。発病は五年後、十年後、十五年後、二十年後、二十五年後と長い内部被曝の蓄積を重ね、溢れ出るかの様に体から出てくる。


汚染地域の人が言うには、ようやく最近発病が少なくなってきたらしい。
チェルノブイリ健康被害の結果が見えてきたのは、この数年の様に感じる。


世界に散らばる戦争ビジネル同様、権力者、雲の上のお金持ちがそんな庶民の苦しみなんか
屁とも思っていない。

チェルノブイリの事故後、世界の原子力事業は衰える事はなかった。

が、今はインターネット世代、情報は拡散される。


情報が拡散されて、その先の行動する人が増えていけば。。。。知らないフリをすればするほど、どこかで
またそのツケが回ってくる。




この上の地域の人の様に、ほとんど知られず、汚染など無かったかの事の様に扱われ、再びどこかで悲劇が起こる事の
無いようにと祈りたい。







出来る限り、食品から受ける被曝をさけてください。



パリで福島ドキュメンタリー映画が公開されます。

パリ近郊にお住まいの皆さん足を運んでみて下さい


11月5日 20:00〜
La Claf
34 Rue Daubenton,
75005 Paris 
6,5ユーロ





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