ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

就職祝い。アコギなフランスアニメ会社のシステム

よ〜うやく、今日、彼の仕事が決まった。

それも比較的大きな会社の大きなプロジェクトなで、彼のキャリアにもなる。ほんと〜に良かった。





去年の12月にあるアニメのプロジェクトの最終話を書き終え、


年明け後、短期の仕事がほんの少しだけ舞い込んだのを最後に、

今までずっと誰かの作品に時間を割いていたので、自分の作品が作りたいと言って、自作のアニメの設定やらキャラクターデザインやら話などを書いていた。


アニメーターというのは、基本的に人の元、会社で仕事をする。が、自分の作品を作り売り込みすることもある。

その自分の作品を書いている時や失業期間は、アンテルミッタン ド スペクタクルという芸術者用の失業保険があり、その以前の給料の7割から8割が国から支給される。



でも、悠長にはしていられない。折を見て働きに出ないとその芸術者認定から外されてしまうからだ。







12月まで所属していたフランスのアニメ社会というのは本当にアコギで、1か月まるまるかかる1話分の仕事に給料を20日分しか出さず、(3分の2)
月の後半の10日を失業とみなして、国に失業保険を払わせ、給料分とするしていた。ずっと継続して働いているのにね。


なので、実は今月までに仕事を見つけないと、失業期間が長くなりその芸術者認定から外されてしまうかもという非常事態になった。





例えば6か月間連続働いていても、各月十日分ずつ国に失業保険を払わしているので、その期間は書類上失業者で、仕事をしていない人間にされられてしまっていた。
サイテーと言うしかない。



アニメ会社がする雇用契約は1話分づつ。1話終わったら、契約は終わり、2話目からまた再契約する。。。。。

そして2話目が終わったら、また会社との契約は終わりで、3話目から契約をする。

だからいちいち雇用契約書を書かされていた。。。。。ナンテコッタ。



芸術系の仕事がえてして不安定で、芸術、デザイン分野が国の経済活動の一端を支えているフランスでは
芸術家に生活の安定を与え、利益を芸術家に還元しようというありがたいシステムなんだけどね。

企業はそれを悪用しているんだ。







普通の失業者は、失業した後2年間失業保険が入る。
が、この芸術者認定者、アニメ業界の場合は1年の内最長8ヶ月。

プロジェクトごとにどんどん仕事場が変わるアーティストにとって、
これをキープするのはせっせと自分を売り込んでいかないといけない。俳優と同じようなものだ。職種によって認定される時間数が違う。



のんびりしていると、この認定から外れてしまう。
というのは、上に書いたように働いているのに、働いてないと換算している姑息な会社あるからだ。







私の彼も今月中に見つからなかった場合、この認定から外れそうになった。

というのも、前の会社が働いているのに、3分の1を働いていない、失業中だったということにしていたから。。。。。継続して働いていたのに。




この芸術者専用の失業保険が将来なくなるかも、そうでなくてもどんどん減額されていく。

悪用する会社がある所為で、会社が払うべきところを払わないで、国に払わせているからね。




次の会社は比較的大手の会社なので、こんなことはしないことを願う。

以前はちゃんと支払っていた会社の方が多かったらしいが、この業界はこれをするのは当たり前になる風潮があるらしい。


システムを悪用するのは個人よりも企業の方がタチがずっと悪い。

547491