ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

ビザランのはずが。。モロッコへの旅2

1週間の旅が、なぜ1ヶ月以上にまでなったか、

ホテルゴアという居心地の良いホテルを見つけ、山での交流と活動。
このホテル、スイス人夫婦が経営していて、とても居心地が良い。
シングルルームで80ダラム。800円。

お茶も、コーヒーも勝手に作っていいし、洗濯機だったあるし、
好きなときに洗濯して良い。週に2回山からの絞りたての、山羊のミルクを配達してもらっているので、コーヒーもその乳で飲む。う〜〜ん贅沢だ。

オーナーのヴァレリは料理も上手で、週に何回かディナーを作ってくれる。これも宿代に含まれるサービス。
https://www.facebook.com/hotelgoa
いままで、いろいろな宿に泊まったけど、一番サービスがいい。普通晩ご飯までは宿代にはふくまれないよね。

ここに泊まりにくる人たちも面白い人が多い。人生と旅が切っても切れないような、そんな感じの人たち。


居心地の良い宿に街と山を毎日行ったり来たりというデイリールーティーンを見つけ、安らぎとやりがいを感じた。


始まりは山登りからだった。



それまで、山の流しのガイドや街の流しのガイドや色眼鏡のモロッコ男性やらいろんな人たちにつきまとわれ、ヘキヘキしていた。

シフシャウエンの山に登ってみると、山羊飼いの子供たちと女性たちが居る。
言葉は通じないが、一緒に山でボーっとしているだけで、楽しい。

10時くらいから5時くらいまで、山羊をずーと放し飼いで自然公園になっている山一体で
放牧させている。

一日中同じ所にいるんじゃなくて、頂上まで登っては
降りてと、移動量が多い。一家族大体20頭ぐらい、大移動だ。私が行った一体では4家族が
周辺で放牧していた。


子供2人で見ている場合と、大人の女性が一人で見ているケース。たまにちょっと遠い所から来た感じのおばあちゃん羊飼い一人、おじいちゃん羊飼い一人。と云うケースもある。



へーこんな小さい子が働いているんだ。次の日も行ってみるとそこに居る、次の日も同じ。

え、もしかしたら、学校も行かず毎日働いているのかな?。靴はボロボロだ。

途中もっと奥の山に住んでいるんだという人に話しかけられると(山一体の流しのガイドらしい)
若いのに、歯があまり無い。28歳という、どういう事??



ホテルゴアのヴァレリに話してみると、
山には昔からの生活習慣が今でも保たれているが、食生活は変わった。
お菓子は食べるし、キャンディーとかガムとか、ミントティーには砂糖が沢山いれられる。

老若男女みんな甘い物は大好き。

歯医者に行くと、ただ虫歯を抜かれてしまうらしいんだ。銀歯を詰めるんじゃなくてね。


酷い話だね。

歯を磨く習慣も無いし、歯ブラシを買うお金もないのかもな。

何人かの特に貧乏そうな子供たちに、歯ブラシとついでに靴をプレゼントした。
歯の磨き方も見せる。みんな知っているようだった。ちょっとホッとする。



家庭でも、歯ブラシの習慣がある家と無い家があるみたいだ。それは親に会ってみるとわかる。
30代、40代で歯がある人無い人に別れる。
裕福そうに見える家とそうでない家でも生活習慣が違うようだ。


ある4歳の男の子前歯全部虫歯、真っ黒。あり得ない。
これじゃあ、この子の将来が可哀想だよ。今はまだ乳歯だからなんとかなるが、大人の歯が生えて同じじゃ大問題だよね。

バナナをあげてみる。異常にバナナが大好きで、3本ペロって食べてしまった。
お腹もすいているんだな〜。

歯ブラシを持って来て歯を磨いてあげる。奥歯もそうとうやられている。


山の子供は異常な運動量なので、みんな痩せている。ちゃんとご飯を食べていても、
栄養は偏っているらしく、成長も遅い。


とりあえず、次の日からいろいろな果物をもって山に登る。

だいたい配る子供は10人ぐらい。とりあえず、貧乏な子にも、裕福そうな子にもまんべんなくあげる。喧嘩になったら大変だからね。



バナナ3本をぺろっと食べた4歳の子。
まだ働いていないし、同じ年くらいの子が周りに居ないらしい。一人で遊んでいる。

私が果物をあげるので、毎日心待ちにの様に、走りよってくる。

子供たちと一緒に時間を過ごすと、心が洗われるような気分がする。


こんなに子供が沢山いて、山羊や羊が居て、山には異常にガラスの破片が沢山ある。

普通に街から観光に来たモロッコ人たちが、ゴミを捨てまくっている。特にガラスは危ないな〜〜。

ちょっと目立つガラスを拾い始める。始めると、なかなか気持ちがいい。

山のゴミをどんどん拾い始める。

この周辺にいる観光客らしいモロッコ人の大人からありがとう。モロッコ人でそんな事をする人は誰もいないと感謝されるも、誰一人手伝わない。

そんな中、このいつもの4歳の子と、山羊飼いの姉妹が手伝ってくれた。

ふっと思う。これを続けたら、この子たちはプラスチックのゴミと瓶は捨てたらいけないって
ちゃんとわかるようになるのかもな〜。
まあとりあえず、私の気分もいいし、山の為にもなるし、この子たちの為にもなるしね。


それから、山のゴミ拾いが私の日課になる。

辞めると大体、同じ。またお菓子のゴミや缶ゴミが増えているが、とりあえず割れたガラスの量が減っただけでもいい。




10日ぐらいが経ったある日、4歳の子が自分の家に呼んでくれた。





お母さんとご対め〜〜〜ん。42歳。犬歯2本、下の歯2本残るのみ、奥歯も数本。ひどい歯槽膿漏のように見える。やっぱりな、この子の歯が全部真っ黒なのはこのお母さんが全く歯磨きしないからだ。



家は遠くから見るとめちゃくちゃぼろ屋に見えるが、近づくと意外に広い。


2世帯家族と山羊、羊小屋がワンセットになっている土の家だ。敷地内に井戸がある。かなり深い。上からでは水の表面が見えない。凄く良い水がくめる。
それからパンを焼く土釜のオーブンが外にある。
生活は質素だが、その土地代々の生活を守って、必要な物はある。
テレビもありサテライトだ。モロッコではサテライトテレビは当たり前で、スラムの掘建て小屋にもサテライトテレビがあるらしい。

実は4人兄弟。6人家族。近所は兄弟姉妹親戚だらけだ。

手作りのパンと手作りのオリーブを頂く。オリーブがめちゃくちゃ美味しい。今まで食べた中で一番美味しい。ベルリンでトルコマーケットでよくブラックオリーブを好んで買っていたが、
この家族のオリーブは完全有機、手作り、質が違う。



次の日も行く、オリーブとパン。次の日もオリーブとパン。美味しいな〜〜。

ある日、ディナーを頂く大豆の煮たもの+オリーブとパン。


ある夜、ディナーを頂く、グリーンピースを煮たもの+オリーブとパン。


お父さんが7時過ぎに帰って来た。家の工事現場で働いているらしい。顔色がかなり悪い。

豆とブラックオリーブは栄養価が高いが、育ち盛りの4人。と力仕事のお父さん。

ご飯の量が足りないよね。


ある晩、私と力比べで、兄弟と腕相撲をする。13歳の男の子。146センチぐらい。
腕力が相当弱い。驚く。
私が13歳の頃はもう今と同じ背丈だったな。(156センチ)


ある金曜日、イスラムの日でいう日曜日のような日、クスクスの日。
鶏肉を2キロかって持って行く。異常に喜ばれる。

そうこうしていると、もっとここに居たくなる。まだ私の役割は終わっていない気がする。
ちゃんと最低でも、この歯磨きの習慣が全くない家族の子供に、毎日歯磨きさせるぞ〜!


つづく、


















164711