ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

アンティルミッタンドスペクタクルという芸術家の社会保障って凄いな

今回は、内容が全く私と畑違いなんですが、


現在の彼がフランスアニメの制作会社で働いている。それが、あまりの日本の働き方と異なるので、それってなんなんだろ〜〜って、ね。



彼の周りにはプロなオタクたちがたくさんいるし、プロじゃないオタク仲間も
いるので、私の彼の周りには日本漫画&日本アニメが超好きな人しかいない。。。。
フランスに今回来るまで、こんなに凄いとは思いもよりませんでした。彼が特別なのとばかり。
このアニメファンだけではなく、フランス全体に日本に対する憧れの眼差しを感じる。


フランスのアニメのレベルは日本より大分下で、

彼いわく、才能のある人は沢山居るが、予算の為にレベルを下げざるを得ないらしい。基本的な物はフランスで作るが、ストーリーボードなどを細かく設定して、後はアジアの安い制作会社に全て外注にだす。この韓国に対するギャラは最低価格で外注に出すから、クオリティが上がる分けない。と豪語する。


じゃあ、どれくらいの予算でつくっているの?と聞いてみると、

日本のアニメの倍以上で作っている。


週一回の30分アニメ番組の制作費は大体年間8億から10億円ぐらいでつくられ。
(8百万ユーロ)


私は日本アニメの予算はまるで検討がつかないが、彼は日本のアニメは超低予算で、クオリティの高さがハンパじゃないと言っていた。

その分、フランスチームのアニメで働く人々の一日の給料は悪くない。


でも、待機も多くて。。。。。契約は1ヶ月や二週間ごとだったりするけど。。。



中には、仕事が引っ切り無しに入って安定している人もいる。



最近、彼のボス(ストーリーボードの責任者)の家に遊びに行った。

奥さん、旦那さんともアニメの制作会社で働いている。
パリ市内中心部から電車で20分の郊外(といってもほとんどパリ)
に相当大きな家を持っている。
はーーーーーーーーー。

これがフランス人の家だよね〜〜。パリのアパート事情は酷く、東京並み。

食堂兼居間はだいたい30帖はあるだろうか、ベルリンにもひけを取らない大きさ。一階にはテレビ&ゲーム部屋なるものが存在し、大体15帖はある。

1、2階は同じ大きさなので推定家の大きさ200平米以上。

(実はこれ親の遺産もあって、購入したとの後談そうだよね。。。。)

う〜〜ん、これは給料が良いんだろうな。まあ完全な平等なダブルインカムだし。
パリ市内のアパートは東京とほとんど家賃や購入価格は同じ。億ションも良く見かける。

奥さんは、プロジェクトの責任者として働いていた。
いたというのは一つのアニメ作品が終了すると、次のプロジェクトが始まるまで大体3〜4ヶ月の休みになるんだ。

アニメに関わる人はだいたいみんな同じらしい。


その休みの間は給料は制作会社から支給はされないが、
社会保障として、アニメのストーリーボードチェックでもアーティストの部類に入り
手厚い保護がある。そしてその働いていない期間は大体手取りで給料の8割を国から頂く。

その形態は、このボスも、奥さんも私の彼も同様。

彼は契約社員のようなもので、ボーナスは無いが、普段11時から7時まで働いて、年4ヶ月の休みがあり、その間も国から2000ユーロの社会保障を頂く。


(まあこの補償額もこの後どんどん低くなってくのだが、しょうがないね。)





ほほ〜〜、流石フランス。

でも、それでセル画とか大変な作業を全部仕上げるのがアジアの国で、メチャ安で働いているんだろうな〜。

それでクオリティが低いと愚痴っているのを見ると、



こういうのって、フランス社会なんだよね。って思う。


ここフランスはちゃんと働いて、遊んで、人生を楽しむのがいいそれが徹底している。
だから彼のプロ意識も高いし、家に戻ってもずっと絵を描いている。
女性も、働く意識が普通に男性と同じようにある。


でもその中で、フランス人がちゃんとバカンスが取れるように、そのまわりで外国人が沢山はたらいているって感じがするんだ。




追記 2018年6月17日

この後6年経ち、彼と一緒に過ごす間にフランスアニメ業界の内情を知る事となる。

その内容はこちら

http://d.hatena.ne.jp/halloo/20180614



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