ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

エジプトの市民革命1

ベルリンとエジプトに住んだ事のある友人が最近エジプトを再び訪れ、レポートをフェイスブックに書いてくれました。
とても興味深い内容なので、ここに3回にわたって、紹介します。

彼女は元々、国立大学の理系を卒業して、 NTTドコモのエンジニアをしていたほどの優秀な女性なのですが、自分の感性と合うものを探して
日本を飛び出したのです。。

そして、ベルリンで運命的な出会いのエジプト人の師匠のもとで、ハーブやマッサージなどを勉強し、ベルリンーエジプト間をハーブや薬草、アロマオイルなどの買い付けで往復していました。その後、エジプトに一年近く住み、日本に戻ってお店を開きました。

去年彼女が立ち上げた店
http://www.milchjapan.com


それでは始まり、始まり〜〜。

「エジプト」 文、写真 by 石川くみこ





カイロ二日目。私が滞在しているのはデモをやってるタハリール広場から歩いて3分くらいのところですが、日本のニュースを読んで受けるような治安が悪いとか殺伐とした印象は全くありません。



今日はまた大きなデモがあるので少しざわついているけど、ここにいて感じるのはニュースで誰かが言っている不安を煽られるような怖さではなく、自分達の生活や未来のために前進していこうとする希望。



街は政治のことに関する垂れ幕や落書き(ダウンタウンの美しい建物は守ってほしいけど、、)で溢れて、街を歩いていてもカフェやバーでもみんなの関心も話題もそこに集中しているのが私でもわかります。




2年前の革命の時はほとんどの人が政治のことを知らなかったけど、この2年という時間に自分達の生活を変えてよくしていくために、みんなが議論したり共有したりして少しずつ前に進んできたんだと。



以前だったら私が一人で歩いていたら、観光客をカモにしようと話しかけてくるふざけたエジプト人がわんさかいたのに、さっきホテル周辺を散歩してみたら誰一人として声をかけてこなかった。正直、これが一番驚いた。みんな今の方が余程お金に困っているだろうに、、、それよりもみんなが真剣になってる証拠かもしれない。



なかなか伝わらないけど、街からも人からも、一つ一つの過程を経て変わっていこうとする冷静さと前向きな活力を感じます。

そしてもちろん、今デモに参加して生活を変えようとしている大多数のエジプト人に暴力という考えはない。どこでもそうだろうけど、暴力使ってるのは権力者。




私も到着するまではメディアの情報源がほとんどだったので少し不安だったけど、昨日から街の様子を見ていたり、沢山の人達に会って話をして、ニュースでは伝わっていないことが非常に多いと思いました。それが意図的にせよそうでないにせよ。。この1日で私が感じたこと書きました。




自分でもびっくりするくらい、たくさんの街の人達が私の事を覚えてくれていました。何度も訪れているとはいえ住んでいたのはほんの半年なのに、ただ生活をしていただけで短期間でこんなに多くの人と心を通わせるような場所は、日本でもベルリンでも今までにあっただろうかと思う。





彼らの笑顔と智恵と人間らしさは変わらないし、これがあれば大丈夫だと信じたいです。


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