ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

旅の始まり2

今まで私は22カ国90都市以上旅をしてきたといいましたが、実はあまり内容を書いたことがありませんでしたね。

最初の頃に旅の始まりを書いたのでその後の事を少々。

まず長旅の始まりは2001年、タイ(コレは書いたよね)まあ長旅の始まりと言っても実はタイは三週間で帰る予定だった。

旅の始まり - ヨーロッパ〜日本往復日記




一度タイに行って、日本に帰って失業保険をもらって、イギリスに飛ぶ予定だった。でもね、帰るのやめちゃったの。いつもあたしの旅はその場その場で決める。だって何が起こるかわからないし、どんな出会いがあるかわからないし。それが一番なのよね。


カンボジアアンコールワットを見に行って(これもすごい大変なバスの旅だったんだけど、長くなるから又今度ね)、そして又タイに戻って全部で大体3ヶ月くらい。

タイはいろんな旅人がいて、短期旅行者が居て、たくさんの出会いがあった。一人旅なのに旅行中ほとんど一人で居たことは無かったな。



それで、イギリスへ。その時タイで一年オープンのチケットを買って、タイに戻ってくる予定だった。それでラオスに行こうと思っていたのね。でも一年オープンのつもりで買ったチケットは実は半年オープンで騙されてて、もどらなかったんだけど・・・。旅なれない始まりだったからね、まんまとやられちゃったの。でも結局はそれで正解だった。だって帰りのときは中東で湾岸戦争やっていたから、その上空はとても危険地域だったからね、反対周りのアメリカを通ってコロラドの友達の家に行って、日本に帰ってきた。


そのコロラドの友人がコロラドー日本の片道チケット買ってあげるって言ってくれてね。じゃあモチ行くよ〜〜〜ってね。




まあ話は戻って、タイーカンボジアータイの後
イギリスへ

イギリスには、2人知り合いが居た。一人はタイで出合って3週間一緒に旅した人。

もう一人は大阪に旅行に行ったとき出合ったオーストラリア人。宿なんて予約しないで、ふらっとコンサート目当てで大阪に行ってね、ライブ会場で意気投合して、その後二人して大阪城の桜の木下で野宿したんだよね。まあ野宿っていってももう朝でさ。おじいさんおばあさんが通る中、新聞紙しいて、桜が満開の木下で眠ったの。



この人がとてもいい人で、彼女と一緒に住んでいたのに、私を泊めさせたうえに、もう一人のアイリッシュの女の子の家も泊まるように紹介してくれて、二人の家を行った来たり2ヶ月くらい居候させてくれた。ブライトンの事なんて全然しらなかったんだけど、いい街だった。すごく良くしてくれてね、私もご飯をいつも作ってあげていた。すごい喜ばれてね、タダでずっと住まわせてくれた。


このときは、タイで買った品を路上で売っていた。たまに警察に注意されたけど、イギリスの警察はやさしくて、ここは駄目だからあっちに移動してね、っていう程度でね。ほんとこんなんで良いの?って思った。

まあ結構安く売っていたんだけど、ポンドはやっぱりすごい高いから、結構稼げた。




それから、スペイン。そのアイリッシュカップルとオージーカップルの4人でソナーフェスティバルへ。今となってはかなり有名なエレクトロニックミュージックのフェス。実験系から、パーティー系までありとあらゆるエレクトロニックが終結する。この年日本からはゼニゲバのKK・NULLが出演していた。この時のリッチーホーティンは最高のDJをしていたね。リッチーホーティンは2000年前後が一番すばらしいプレイをしていたんじゃないのかな〜。ライブだけじゃなくてね、ありとあらゆるサウンドアートの作品が展示されていて、ヨーロッパでも有数のフェスなんだよね。


泊まった宿も古い趣のあるアパートで、普通の家族が貸している
ファミリースタイルのアパートの一室だった。余りにも居心地がよくてね。皆と一緒にイギリスに帰らず、そこで3週間泊まった。ユーロが導入される前でね、一部屋たった1000円程度で、物価がホント安かった。

4人と別れた後のこのスペインの滞在は結構大変だったよ。楽しいことと大変な事と両方味わった。


その年はバルセロナは治安が悪くてね〜〜。首絞め強盗にあったのよ。背後から急に片腕で首に腕を回されて、その褐色の腕が首に回っているのが見えてね。刺される!
と思ってもうこれ以上声が出ないってくらい思いっきり叫んだら、
相手がビックリして
何も取らないで逃げて行っちゃった!


ショックはすごいものがあった。周りは人がいっぱいいたし、まだ日は落ちていなくて、有名なラランブラストリートの近くだったんだけどさ。



その後から背後から人の足音が聞こえると絶対に気になって振り返るし、停車中の車の間に人が隠れていたら嫌だから、車から離れて真ん中の方を歩くよ。


それで、あまりのショックに外に出ずにそのアパートに数日居たら、
新しい旅人ドイツ人2人とスペイン人2人のグループがそのアパートにやってくる。

また一緒に観光できるパートナーを得てねホント楽しかった。まあ典型的なバルセロナの観光。ガウディをみて
サクラダファミリアに行って、水族館とか、本当の市内観光。やっぱり市内観光は一人じゃさびしい。あんな首絞め強盗もあって、一人は嫌だったんだよね。
こういう出会いは好きだ。この4人組と大体一週間ぐらい一緒に居たかな。


このドイツ人2人グループが出国する最後の日
最後の夜部屋代を浮かすために、私の部屋に荷物を置いて、オールナイトで遊びに行くって言うんだよ。


まあ荷物ぐらいOKっておもっていたらさ、明け方にもう辛いから私の部屋に2時間くらい寝かしてくれ〜〜て言ってきてね。まあじゃあ朝早く出て行ったらいいよって。それを大家が見ていて、

彼らが出て行くとき、コラ〜〜〜って追いかけていくの。スペイン人のおじさんがすごい剣幕で怒って!!
それでもちろん男の子たちは若いから捕まらなくて、私に男の子を泊めさせたから、あたしが払えって言うのね。コレもマジとほほ話だよ。


それで、そんなこんなで、気持ちはへこんでね。だって、たった2000円ぐらいだったんだけど、宿代も無理やり払わされて、出て行きたくなるでしょ。スペイン語も話せないから結構大変だったしね。それでまたイギリスに帰るの。最後のタイの荷物を売り切るためにね。


もうそれで、大急ぎで最後残ったものをブライトンで売り切った。やる気さえあれば商売なんて何でも出来るなってその時思ったよ。



次の目的地はベルギー。

まだヨーロッパ内の短距離飛行機がそこまでいろんな場所が安くなかったんだよね。
格安飛行会社のイージージェットがまだ始まったばかりだったんだよ。

だからず〜〜とバス。

ベルギーにも一人知り合いが居てね。

その人との出会いはね、そのベルギー人が東京の彼女の実家に数日滞在していたとき、
原宿でバンジョーを道で弾いていた。すっごい上手で、初めてバンジョーを見たからね感動して私が話しかけたの。

それで、家に夕ご食べに来るかって誘ってね、私はその時ホステルに住んでいたから、見知らぬゲスト一人ぐらい増えたってって、どうってことない感じだった。このホステル暮らし、本当に快適、いくら人を連れてきても大丈夫だし、知り合ったばっかりの人でもね連れてこれる。誰かがいつもいるから危ないって感じはしないのよ。







ベルギーにはその人に日本人の彼女が居て、2人ともウエルカムで迎えてくれて、親の5階建てのアパート一軒丸々、バケーションで誰も居ないからって、住まわせてくれたの。彼女とも意気投合してね。2週間ぐらいまた
そこに居候させていただく事になる。そのベルギー人はすごい健康食マニアで日本食が大好きで、毎日、朝昼晩2人で日本食を作っていた。仕事はせずにストリートミュージシャンとして日銭を稼いでいる。バンジョーの名手で、三味線も弾けるのね。
そんな生活をしていても、良い大学出身で、お父さんは医者だから、結構親子の対立が激しかったみたい。
日本人の彼女は、建築を勉強していて、それも奨学金でベルギーにいるくらいだから、とても優秀な子。リラックスしていて不思議な雰囲気で、建築家になんか絶対見えない。ジュエリーデザイナーとかだったら、ああそうかって感じだけど。。。二人で、国からもらう失業保険と、彼女の奨学金を合わせると結構なお金を毎月もらっていて、それを出来る限り節約貯金して、スペインに家でも買おうかと計画していた。

へえ〜〜。すごい色々な手があるんだな〜〜って。2人はお気楽に暮らしているようで、自分の好きなことにはすごいエネルギーを傾ける人たちだった。こういう熱心さって、実は将来的には成功するのかなって思ったよ。


ブリュッセルはね、すごいのんびりしているのに、街全体がアーティスティックなの。
クラブも質が良いし、田舎の田園地帯もすぐそばにあるし、日本じゃマニアしか見ないような、短編映画のフェスティバルが街の真ん中のアウトドアでやっていて、大勢の老若男女がふつ〜〜に見ているの。これにはビックリした。

ブリュッセルも住むのには良さそうだなって思った。チョコレートも最高だしね。ダントツ一番でチョコレートはベルギーだよ。



ここまででだいたい半年、ホント早かった。半年から10ヶ月ぐらい旅しようと思っていたんだけど、
ぜんぜんそれで終わる感じじゃないね、初めからさ。
今考えればね〜。なんかすごい好奇心の塊で、行動していたなって思うよ。



振り返ってみるとね、旅の始まりはもう無防備なの、それで好奇心もすごいからね、すごい勢いで仲良くなれるのね。
心がオープンだから。楽しいのもあるし、危ない目もあう。

旅が慣れていくと、防御するから騙されることはなくなるんだけど、旅の始まりのように、すぐ仲良くなったりすることはなくなるんだよね。

いま思うとね、少々騙されたって、楽しいほうが良いじゃんって思うよね。

NO Risk NO fun だよね。



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