ヨーロッパ〜日本往復日記

2001年から2003年まで二年の世界放浪の旅へ、それからどんどん価値観が変化していく様子をブログに書いています。

玉三郎、パリ公演に行く!

坂東玉三郎さん、仏勲章授与 最高位のコマンドゥール(騎士団長)受賞おめでとうございます。
これまで、この芸術文化勲章は1996 - 2005年の10年間に約120名の日本人が受勲していてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/芸術文化勲章




なんと、今回のパリ公演、三回も行って来ましたよ〜。

チケット代は全部合わせて一人分、たったの68ユーロでした。流石芸術の都パリ。
こんな値段で三回も見れたパリ公演、本当にすばらしくて感動でした。

パリに居ると、日本のトップの芸術に触れる機会があって、本当に感謝です。去年も、歌川 広重と葛飾北斎
展覧会に行き、あまりに間近に本物を見れて感動した。


こんかいの坂東玉三郎公演、チケットの手配がかなり奇跡的だった。

公演初日の2日前、コルシカ島から帰って数日たった夜。



そうだ玉三郎の公演いつだっけ〜〜と思い出す。

去年から、実はメトロには大きい玉三郎のポスターがたくさん貼られていた。でもコルシカ島でクリスマス、新年を過ごして
帰って来たらと思っていて、すっかり忘れていた。

この時点でインターネットでは前半の地唄(舞踊)はソールドアウト。後半の京劇はまだ券は残っていました。


「う〜〜〜、あたし玉三郎は断然踊りの方が好き、是非踊りがみたかったのに〜〜。どうしよう、そうだねフランス人は歌舞伎俳優がわざわざ来るんだったら、日本の踊りを選ぶよね。中国の劇じゃなくてさ」

(どうしてさっさと手配しなかったと自分を責める)とうだうだしていると。

彼が、じゃあ明日シャトレの劇場に直接行ってみよう。券があるかも。


え〜〜、そんなあるはずないじゃん、坂東玉三郎パリ公演だよ。もう初演の前日だよ無理無理、まあとりあえず玉三郎の京劇でも良いや心の中で思っていた。

でも良いやなんて、見終わった後はこんな事思っていたなんて恐れ多いくらい素晴らしかった。
それまで、玉三郎の歌舞伎を見に行った事はあっても、この京劇はまだ見た事は無かったのである。



オペラ座近くの日本人街にこんな広告もあり、否応無しに気持ちは盛り上がっていく



初日の前日

劇場のチケットセンターについてみると、

まだ、地唄の10ユーロの席と25ユーロの席が余っていると云う。

はあ??10ユーロの席??そんなのネット上では出てなかったけど。。。。

でも全部席は悪くて、音しか聞こえない場所とか言われる。(これはまったくチケット売りの人が無知な証拠で、はっきり見えた)

う〜〜と一瞬悩んで、じゃあ京劇と地唄の2枚買おう!
10ユーロプラスなだけだったら、2回見れる。

音しか聞こえなくても、初日の雰囲気を味わえて、お囃子とか大好きだし。


それで、京劇の方のチケットも買う、なんと48ユーロの席で上から四番目のランクなんだけど、

一番前の一番端の席がある。

「うお〜〜一番前、それそれ下さい。」はい一人58ユーロ也〜。




後から聞くと
シャトレはパリ市が経営している劇場で、この10ユーロ席がわざわざ作られて、芸術の都パリで皆が見に行けるようにという配慮らしい。

公演初日


着物を着ているフランス人が居る。
自分でいろいろ工夫してがんばって着たんだろうね、たしょう気になる着方だが、日本が大好きなんだろうなって思う。

案外20代ぐらいの若者が多い。アニメの影響で日本文化が大好きな人たちなんだろうな。うちの彼もしかり。


子供たちの団体も居る〜だいたい15人くらいだったかな。子供の頃からこんなエキゾチックなものを見させるなんて、
やっぱりフランスは芸術の国なのね〜。




劇場内に入り5階を目指す。
4階までは普通の感じだけど、5階は屋根裏部屋みたいな階段をあがっていくんだ。階段も違ければ、
席のつくりも違う。
ここは貧乏人の席なんだな〜、というかんじ。



席についてみると、感動、ちゃんと見えるじゃん〜。ステージのすぐ真上。


記念撮影。公演20分まえで、まだ人が少ない。








5階からはこんな感じで見れました。屏風とロウソク立てと三味線のみかなりシンプルなステージ構成。


初日の一番目の演目は静かに始まり、みなさんじっと息をのむ感じで、拍手は無かった。






始めの演目で4階、5階の劇場でしか買えない安い席がかなり空いている事に気がつく、ネット上でソールドアウトだったから
買いたくても買えなかった人が居るはず、もったいないな〜〜。
二つ目の演目の時、4階に思い切って移動してみる。









そうすると、同じように思った人たちが五階から降りてくる。


いや〜、ここ四階だけど、はっきり見えるよ〜。ほんともったいないね〜、席が空いているのは。


この日の玉三郎の演技は気迫があった。
一つ一つの流れるような、美しい動きと、抑えられながらもこぼれ落ちてくるような感情の表現力。


はあ〜〜、本当に来てよかった。


演目は全て15分程度と短い一番代表的な部分を切り取って、パリのお客さん用に見やすく構成されていた。


歌舞伎を知るものとしては、お囃子が無かったり、舞台構成のあまりのシンプルさに
物足りない感じもしたが、その分、玉三郎が見せてくれた。


いままで、正面でしか見た事が無かったので、引き抜きがどうなっているのか、
知らなかったんだ。この日は上からはハッキリ見える。着物の上と下は別々になっていて、
黒い糸でしつけ糸のように止めてある。それを思いっきり引き抜くと、取れるんだ。







公演が終わり、パリのお客さんは拍手大喝采で、観客からどんどんどんと足音が聞こえる。

ヨーロッパでアンコールのときはよく拍手と足並みを合わせてどんどんとやる。


口笛もぴゅーぴゅー聞こえてくる。カーテンコールが何度も

初日は玉三郎の踊りの切れがほんとうに冴えていて動きが美しかった〜。


また同じのを見たい!
翌日また格安チケットを買いに行った。今度は彼の友達の分も。








玉三郎パリ公演にかかわった大道具さんのブログ
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